Ñandes クリエイターズファイル④〜画家・イラストレーター、ハラ ミチヨ〜

ニャンデスクリエイターズファイル第四弾!

画家・イラストレーターのハラ ミチヨさんにインタビューをしました。

ハラさんとニャンデスは、四年前に猫チャリティーイベントで知り合って以来の縁で、各地のイベントやSNSで交流しています。

https://michiyohara.com/ (ホームページ)

https://instagram.com/mimumoco (インスタグラム)

 

ー お久しぶりです!以前ハラさんの個展へ伺った以来ですね。


一昨年になりますね。毎年個展を…と考えてましたが、昨年は断念しました。

他には主に百貨店の猫フェスイベントへ出展していましたが、軒並み中止になりましたね。

ー ハラさんは野良猫問題や保護猫にもお詳しいですが、ハラさんの屋号でもあり個展のタイトルでもある「Cats in the room.」にはどのような意味があるのでしょうか?

  

「完全室内飼いで、猫たちに穏やかな暮らしと、変わらない毎日を過ごしてほしい」という意味を込めています。

現代の日本では、猫が街中で過ごすことはとても危険であり過酷です。

個展をするにあたっても猫の為になることをしようと考えてました。

楽しみながら猫問題を知ってもらえるような。

なので、猫は外へ出すと危険!みたいなネガティブな強い言葉での発信は避けたいなと。

私が描く猫は室内で暮らす猫やサクラ耳の猫です。絵の中の猫たちにも、彼らを見守る人間がいる事を意識しています。

野良猫や保護猫を取り巻く問題を全く知らない方に、絵を見て楽しみながら知っていただけたら、という思いがあります。

ー 分かります!ニャンデスも動物愛護の入り口になれれば、という思いで活動してます。

動物虐待アカン!なんて誰でも分かることで…それを伝えるためにわざわざ酷い画像を見せられても引きますよね。

見るからにかわいそうなものも敬遠してしまいますし。

今社会で起きている問題、みんなが意識する事で変えられる事を発信していきたいですね。

 

そうなんです。そして絵で伝えることは希望でありたいと、絵描きとして思います。

 

ー 猫の問題について関心を持たれたのは何がきっかけですか?

25年前に我が家へ来た初代の猫を病気で亡くした時の事です。始めの医者が藪医者だった事もあるけれど、自分自身が病気に対して無知で、気付いた時には手遅れになってしまい…愛猫を亡くしてしまいました。

そのことがきっかけとなり猫を取り巻く環境や問題を勉強するようになりました。

この時の後悔が原動力になっています。

 

ー …私も全く同じです!(思い出し泣き)

 

その初代猫が亡くなって半年後に猫風邪の酷い仔猫を知り合いから譲渡されました。

その仔猫も3週間ほどで亡くなり…

完全にトラウマになりましたね、私には猫を飼う資格がない!って。一年の内に二匹を喪い、心の傷がガバッと広がりました…

しかしその2ヶ月後に今度は近所の方から、動物病院で里親募集している仔猫を見るだけでもいいから行ってみて、と連絡が入って、家人が先に病院へ向かったのですが…

 

ー もしや、その流れは…

  

はい、私が病院に着いた時には家人がもう仔猫を抱っこしていて、連れて帰ることになりました(笑)

先代猫のトラウマもあり、早く大人猫になって!と祈りながらの毎日で、可愛い盛りでも写真を一切撮ることができませんでした。

そしてその翌年には家族の職場関係の人から目がグチュグチュになった仔猫を引き取り、四年前には雨の中うずくまって動けなくなっていた仔猫を私が保護し…

現在は三匹の猫たちと暮らしています。

 

ー トラウマは消えましたか?

 

あの時の後悔は消えないです。

しかし猫を取り巻く環境や病気について徹底的に勉強し、どうすれば猫の幸せと健康を守れるかを考えて暮らしています。毎年猫ドックを受けてワクチンを打ち、被災や不慮の事故の為にマイクロチップも入れています。

 

ー 徹底してますね!猫を飼っているというだけで、その辺の事を知らない方って多いですよね…私もそうでしたが。

 

皆様、何かをきっかけに勉強する人が多いと思います。

そして十字架を背負っている人も多い(笑)

 

ー 同じく(笑)

ハラさんの絵のモチーフは猫がほとんどですね。

たまに女性も描かれていますが。

 

イラストの学校ではファッションイラスト中心で、猫の絵をあまり描く機会がありませんでした。

今は好きな猫の絵を存分に描いてます!

ー 気持ちが良いほど猫ばかりですよね!

エアリーで飄々としていて、どこかユーモラスな雰囲気がハラさんそのものに感じます。

今目の前にいるこの世で最高に美しく可愛い「猫」を慈しんで描いてらっしゃる。

そんな素直な画風が大好きです。

個展を拝見した時に感じましたが、人物画で「絶対に外せない線」というものがあるように思います。

極限まで削った線の数、そしてその一本の線は1ミリとてズレてはいけないような…

 

はい、よく言われます。線は竹ペンを使い、集中して一気に勢いで引きますね。

 

ー 勢いですか(笑)

絵を描いていて嫌になった事や困った事はありますか?

 

描くのが嫌になった事はないです。

困った事といえば…たまにウチの猫を描いてくださいというご依頼を頂くのですが、デザイナーペット(※)を描いて欲しいと言われたらどうしようか悩みますね。

(※短足、折れ耳、鼻ペチャなど、外見をデザインするための交配により遺伝疾患を持つペット)

デザイナーペットを可愛い!と広める助けになりたくないですが…

飼い主さんにとっては可愛い我が子。

飼い主さんが悪い訳ではないですし、責めることになってはいけない。

ニャンデスさんならどうします? 折れ耳の猫キャラ作って、と依頼されたら。

 

ー !?えっ!?どうしましょ…(長い沈黙)

断りますね…仕方がないから描こうにも手が動かないかも…私は許してもニャンデスが許さない!なんてね(笑)

 

そうなんですよ、描けないと思います。

 

ー それは私にとっても一つの問題提議になりました。考えてみます。

絵を描くにあたり、影響を受けた画家や尊敬している画家はいますか?

 

奈路道程さんとハンス、フィッシャーさんですね。ハンス・フィッシャーさんの絵本は全て持っています。少なからず影響を受けていると思います。

 

ー 現在はウィルスで活動が制限されていると思います。感染拡大前後で方針転換された事はありますか?

 

特にないです。

7年間勤めていたイラスト学校の講師を辞め、その前に勤めていたデザイン会社の仕事をしながらイラストレーターとして活動しています。

作品発表の場がInstagramとホームページのみになっていますが、今は描き貯める時期として制作を続けています。

 

ー 最後になりますが、今後の展開、ハラさんの夢を教えてください。

 

夢は猫の保護施設付きギャラリーを作ることです。

10年20年後、自らが保護猫を迎えるには限界の年齢になった時、目の前に傷付いて助けを必要とする猫が現れても躊躇いなく保護できるような施設です。

一階がギャラリーで二階が保護施設。

資金が問題ですが(笑)

 

ー 素晴らしいですね!私も憧れます!

その時は…ギャラリー貸してください(笑)

 

インタビューは30分ほどと言いながら長いお時間お付き合いくださり、ありがとうございました。

猫の話しとなると…時間が溶けますね!

我が家の猫の三毛子の歯の治療前には色々とアドバイスをいただきました。

猫飼い先輩として、これからもよろしくお願いいたします!